エステの契約書に、何を書くか
書面が2枚そろえば、コース契約も回数券も、安心して売れます。
書面が整うと、何が変わる?
必要なのは書面が2枚。契約の前に渡す「概要書面」と、契約のあとに遅滞なく渡す「契約書面」です。書く項目は省令で決まっています。ここが整っていれば、回数券もコース契約も、安心して売れます。
書面が整うと、できること
押さえるところが分かれば、あとは安心して組み立てられます。

1か月を超え5万円を超える契約でも、書面が整っていれば堂々と提案できます。
クーリング・オフの起算も、書面を渡した日から。渡していないと始まりません。
雛形をつくっておけば、毎回の契約が数分で終わります。
対象になる契約
エステティックの期間は「一月」と定められています(施行令 別表第四 一の項)。
政令で定める金額は5万円です(施行令第24条第2項)。
🔴 この2つを「どちらも」満たす契約が、特定継続的役務提供にあたります。1回きりの施術や、5万円以下のコースは対象外です。回数券・月額のコースは、ほとんどが入ります。サロン開業に必要な資格と届出
概要書面に書くこと(契約の前に渡す)
特定商取引法第42条第1項。記載事項は施行規則第92条が定めています。
書く項目
- 事業者の氏名または名称、住所、電話番号(法人は代表者の氏名)
- 提供される役務の内容
- 役務の提供に際し購入する必要のある商品があれば、その商品名・種類・数量
- 役務の対価その他支払わなければならない金銭の概算額
- その金銭の支払いの時期と方法
- 役務の提供期間
- クーリング・オフに関する事項(法第48条)
- 中途解約に関する事項(法第49条)
- クレジット(ローン提携販売・信用購入あっせん)を使う場合の、その旨
- 5万円を超える前払いを受けるときは、前受金の保全措置の有無と、講じている場合はその内容
- 特約があるときは、その内容
※ 「概算額」とあるとおり、契約前の時点での見込みで構いません。ただし、後で増える可能性があるなら、そのことも含めて書きます。
契約書面に書くこと(契約したら、遅滞なく渡す)
特定商取引法第42条第2項。概要書面と重なる項目にくわえて、施行規則第93条が次を定めています。
契約書面で、とくに求められている項目
- 役務の種類
- 役務提供の形態または方法
- 役務を提供する時間数、回数その他の数量の総計
- 施術を行う者の資格、能力等に関して特約があるときは、その内容
- 契約の締結を担当した者の氏名
- 契約の締結の年月日
- 購入が必要な商品があれば、その種類・数量/その商品を販売する者の氏名・住所・電話番号
🔴 「回数の総計」を書くのがポイントです。「全10回」なのか「1回あたり60分を10回」なのか。ここが曖昧だと、中途解約のときに計算できません。
※ 法第42条第2項は、このほかに、役務の内容、対価、支払いの時期と方法、提供期間、クーリング・オフと中途解約に関する事項を明らかにすることを求めています。
クーリング・オフは8日 ― 数え始めは「書面を受け取った日」
…その特定継続的役務提供受領者等は、第四十二条第二項又は第三項の書面を受領した日から起算して八日を経過したとき…を除き、書面又は電磁的記録によりその特定継続的役務提供等契約の解除を行うことができる。
特定商取引に関する法律 第48条第1項
ここを間違えると、いつまでも解除できる状態が続きます
- 数え始めは「契約した日」ではなく 「契約書面を受け取った日」
- 渡していなければ、8日は始まりません
- 書面に不備があるときも同じです
- クーリング・オフに関する事項について事実と違うことを告げた、または威迫して困惑させたことで期間が過ぎた場合は、あらためて所定の書面を交付した日から8日を数えます
コースと一緒に売った商品も、対象になります
エステティックの「関連商品」は、政令で定められています(施行令 別表第五 第一号)。
| 政令の表現 | つまり | |
|---|---|---|
| イ | 動物及び植物の加工品であつて、人が摂取するもの(医薬品を除く。) | 健康食品・サプリメント |
| ロ | 化粧品、石けん(医薬品を除く。)及び浴用剤 | 店販の化粧品・石けん・入浴剤 |
| ハ | 下着 | 補整下着など |
| ニ | 電気による刺激又は電磁波若しくは超音波を用いて人の皮膚を清潔にし又は美化する器具又は装置 | 家庭用の美顔器など |
🔴 コース契約と一緒に売ったこれらの商品は、クーリング・オフや中途解約の対象になります。「商品は別売りだから関係ない」とはなりません。
※ 化粧品の販売そのもののルールは韓国コスメの仕入れ・店販の線引きに、機器は美容機器と医療機器の違いにまとめています。
中途解約と、請求できる額の上限
8日を過ぎた後も、お客様はいつでも契約を解除できます(法第49条)。そのとき事業者が請求できる額には上限があります。
| 上限(エステティック) | |
|---|---|
| 役務の提供開始後 | 2万円、または契約残額の10パーセントに相当する額のいずれか低い額+すでに提供した役務の対価 |
| 役務の提供開始前 | 2万円 |
出典:同法施行令 別表第四 一の項。
※ 5万円を超える前払いを受ける取引を行うときは、業務及び財産の状況を記載した書類を事務所に備え置かなければなりません(法第45条第1項)。お客様から閲覧や謄本の交付を求められることがあります。
※ 実際のトラブル対応はお客様の肌に異常が出たらにまとめています。
当協会の課程では
BASIC課程では、サロン経営の基礎(内装・備品・スタッフ)を扱います。契約の形は、メニューの作り方と同じところにあります。「何回で、いくらで、いつまでか」を先に決めておくことが、書面を書けるかどうかの分かれ目です。
よくあるご質問
エステの契約で、書面は何枚必要ですか。
2枚です。契約を締結するまでに交付する「概要書面」(特定商取引法第42条第1項)と、契約を締結したときに遅滞なく交付する「契約書面」(同条第2項)です。対象になるのは、提供期間が1か月を超え、かつ金額が5万円を超える契約です。
書面を渡していないと、どうなりますか。
クーリング・オフの期間が始まりません。同法第48条第1項は「第42条第2項又は第3項の書面を受領した日から起算して八日を経過したとき」を除き契約を解除できるとしています。つまり、契約書面を渡していなければ、8日を数え始めることができません。
概要書面には何を書きますか。
施行規則第92条が定めています。事業者の氏名または名称・住所・電話番号(法人は代表者の氏名)、提供される役務の内容、購入が必要な商品があればその商品名・種類・数量、対価その他支払わなければならない金銭の概算額、その支払いの時期と方法、役務の提供期間、クーリング・オフに関する事項、中途解約に関する事項、前受金の保全措置の有無と内容、特約があればその内容などです。
契約書面には、概要書面と別に何を書きますか。
施行規則第93条が、役務の種類、役務提供の形態または方法、役務を提供する時間数・回数その他の数量の総計、施術を行う者の資格・能力等に関する特約があればその内容を定めています。あわせて、契約の締結を担当した者の氏名、契約の締結の年月日なども記載します。
コースと一緒に売った化粧品も、クーリング・オフの対象ですか。
エステティックの関連商品として政令で定められているものは対象になります。施行令 別表第五 第一号は、動物及び植物の加工品であって人が摂取するもの(医薬品を除く)、化粧品・石けん(医薬品を除く)及び浴用剤、下着、電気による刺激または電磁波若しくは超音波を用いて人の皮膚を清潔にし又は美化する器具または装置を挙げています。
出典
- 特定商取引に関する法律(昭和51年法律第57号)第41条・第42条・第45条・第48条・第49条
e-Gov 法令検索 - 特定商取引に関する法律施行規則(昭和51年通商産業省令第89号)第92条・第93条
e-Gov 法令検索 - 特定商取引に関する法律施行令(昭和51年政令第295号)第24条・第29条・別表第四・別表第五
e-Gov 法令検索
※ 本ページは、公表されている法令にもとづく一般的な整理です。個別の契約が法令に適合するかどうかを判定するものではありません。実際の書面の作成にあたっては、所轄の行政庁または専門家にご確認ください。
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