メニュー表・SNSで使える言葉、使えない言葉
線は3本だけ。知っていれば、あとは自由に書けます。言いかえの一覧つき。
言葉の線が分かると、何ができる?
線は3本だけです。①医師法=「治療」「診断」と、医師と紛らわしい名乗り ②薬機法=化粧品は56項目の効能の範囲まで ③景品表示法=実際より著しく優良に見せる表示と、広告と分からせない表示。この3本を知っていれば、あとは自由に書けます。
線が分かると、できること
押さえるところが分かれば、あとは安心して組み立てられます。

「これ書いていいのかな」で止まる時間が消えます。手が動くようになります。
使えない言葉には、必ず使える言いかえがあります。一覧で持てます。
投稿・お客様の声・ビフォーアフターまで、同じ物差しで判断できます。
どこまでが「広告」か
この基準は、新聞、雑誌、テレビ、ラジオ、ウェブサイト及びソーシャル・ネットワーキング・サービス等のすべての媒体における広告を対象とする。
厚生労働省「医薬品等適正広告基準」(平成29年9月29日 薬生発0929第4号)第2
🔴 「SNSだから大丈夫」はありません。ホームページ・メニュー表・店頭のPOP・LINEの配信・Instagram の投稿とストーリーズ、すべて同じ線の上にあります。
言いかえ一覧(化粧品について書くとき)
化粧品の効能効果の表現は、厚生労働省が定める56項目の範囲を超えてはならないとされています。左を右に置き換えます。
| 使える言い方(56項目の番号) | 言いかえたい言い方 |
|---|---|
| 日やけによるシミ、ソバカスを防ぐ (37) | シミが消える/シミを薄くする |
| 乾燥による小ジワを目立たなくする (56) | シワがなくなる/シワを改善する |
| (洗浄により)ニキビ、アセモを防ぐ(洗顔料)(18) | ニキビが治る |
| 肌のキメを整える (20)/(汚れをおとすことにより)皮膚を清浄にする (17) | 毛穴が消える/毛穴をなくす |
| 皮膚をすこやかに保つ (21)/肌を整える (19) | 肌が生まれ変わる/再生する |
| 肌をひきしめる (23)/肌にはりを与える (30) | たるみが引き上がる/リフトアップする |
| 皮膚の乾燥を防ぐ (28)/皮膚の水分、油分を補い保つ (25) | 乾燥肌が治る |
| 肌荒れを防ぐ (22) | 肌荒れを治す |
| 🚫 病気の名前を挙げる表現は使えません | アトピー・湿疹に効く |
| 🚫 56項目にありません(「美白」は、医薬部外品として承認を受けたものが、承認された効能の範囲で使う表現です) | 美白する |
| 🚫 効能効果等を保証する表現・最大級の表現として禁止されています | 医療レベル/クリニック級/効果は確実 |
通知には次の注記が付いています。注1)例えば、「補い保つ」は「補う」あるいは「保つ」との効能でも可とする。注2)「皮膚」と「肌」の使い分けは可とする。注3)( )内は、効能には含めないが、使用形態から考慮して、限定するものである。
出典:厚生労働省「化粧品の効能の範囲の改正について」(平成23年7月21日 薬食発0721第1号)。全56項目は韓国コスメの線引きにも掲載しています。
つまずきやすい5つの形
- お客様の声・体験談で語ってもらう自分で書かなければよい、ということにはなりません。薬機法第66条第1項は「明示的であると暗示的であるとを問わず」としています。お客様の言葉として載せても、同じ扱いです。
- ビフォーアフターの写真で見せる写真も「記述し、又は流布」に含まれます。文字で書かないぶん強く伝わるため、かえって誇大と受け取られやすい形です。
- 「エステティシャンおすすめ」「クリニック監修」適正広告基準は、医薬関係者、理容師、美容師、病院、診療所、薬局などが指定し、公認し、推せんし、指導し、又は選用している等の広告を行ってはならないとしています(第4の10)。
- 「医療レベル」「医療機関と同じ機器」効能効果等の最大級の表現(同6)に当たります。あわせて、医師でなければ医師またはこれに紛らわしい名称を用いてはならない(医師法第18条)という線もあります。
- インフルエンサーに投稿してもらう広告であることが分からない形は、景品表示法の指定告示(令和5年10月1日施行)で不当表示とされています。依頼して書いてもらうなら、広告・PR と明示します。
1本目:医師法 ―「治療」と「名乗り」
医師でなければ、医師又はこれに紛らわしい名称を用いてはならない。
医師法 第18条
日本エステティック振興協議会の統一自主基準も、次のとおり示しています。
「サロン現場では、『治療行為』や『診察や診断行為』はもちろん、『治療』『治癒』などといった表現を使うことも違反行為になります」
※ 「カウンセリング」は使えますが、「診断」「診察」は避けてください。肌を見ることは「肌分析」「肌の測定」と呼びます。
2本目:薬機法 ― 範囲・保証・最大級
何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の名称、製造方法、効能、効果又は性能に関して、明示的であると暗示的であるとを問わず、虚偽又は誇大な記事を広告し、記述し、又は流布してはならない。
医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律 第66条第1項
承認を要しない化粧品の効能効果の表現は、平成23年の通知に定める範囲(56項目)を超えてはならない(適正広告基準 第4の3(2))。
具体的効能効果等又は安全性を摘示して、それが確実である保証をするような表現をしてはならない(同 3(5))。
効能効果等又は安全性について、最大級の表現又はこれに類する表現をしてはならない(同 3(6))。
※ 機器についての書き方は美容機器と医療機器の違いに、化粧品の輸入・販売は韓国コスメの線引きにまとめています。
※ 適正広告基準には、他社の製品を誹謗する広告の制限(第4の9)、不快・迷惑・不安又は恐怖を与えるおそれのある広告の制限(同12)もあります。「このままだと10年後こうなります」といった見せ方は、ここに触れます。
3本目:景品表示法 ― 優良誤認とステマ
商品又は役務の品質、規格その他の内容について、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示し、(中略)不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの
不当景品類及び不当表示防止法 第5条第1号
薬機法が「何を言えるか」の線なら、景品表示法は「実際と合っているか」の線です。根拠のない「1位」「No.1」「満足度98%」も、ここに触れます。
同法第5条第3号にもとづく指定告示により、「一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示」は不当表示とされています(令和5年10月1日施行)。
当協会の課程では
BASIC課程の3日目には、総合シミュレーション(カウンセリングから施術までの通し)があります。何をどう伝えるかは、技術と同じくらい大事なところです。当協会のサイトでも、施術・機器・化粧品それぞれの線を、行政の通知にもとづいて整理しています。
日本で提供できる技術・できない技術 / 美容機器と医療機器の違い / 韓国コスメの線引き / サロン開業の資格と届出 / 施術の流れの違い / よくあるご質問
よくあるご質問
メニュー表やSNSも、広告の規制の対象になりますか。
なります。医薬品等適正広告基準は「新聞、雑誌、テレビ、ラジオ、ウェブサイト及びソーシャル・ネットワーキング・サービス等のすべての媒体における広告を対象とする」としています(第2)。店内のメニュー表、ホームページ、Instagram、LINE のいずれも同じ扱いです。
お客様の声やビフォーアフター写真なら、書いてよいのですか。
同じ扱いです。薬機法第66条第1項は、効能、効果または性能に関して「明示的であると暗示的であるとを問わず」虚偽または誇大な記事を広告し、記述し、または流布してはならないと定めています。自分で書かず、お客様に語ってもらう形でも、写真で見せる形でも変わりません。
「エステティシャンおすすめ」「クリニック監修」と書いてもよいですか。
医薬品等適正広告基準は、医薬関係者、理容師、美容師、病院、診療所、薬局、その他効能効果等に関し世人の認識に相当の影響を与える団体などが、指定し、公認し、推せんし、指導し、または選用している等の広告を行ってはならないとしています(第4の10)。また「医療レベル」といった表現は、効能効果等の最大級の表現の禁止(同6)にも触れます。
「シミが消える」の代わりに、何と書けばよいですか。
化粧品について書く場合は、厚生労働省が定める効能の範囲(56項目)の中から選びます。シミであれば「日やけによるシミ、ソバカスを防ぐ」、小ジワであれば「乾燥による小ジワを目立たなくする」、毛穴であれば「肌のキメを整える」などです。医薬品等適正広告基準も、承認を要しない化粧品の効能効果の表現はこの範囲を超えてはならないとしています。
インフルエンサーに投稿してもらうとき、気をつけることはありますか。
広告であることが分かるようにしてください。令和5年10月1日から、景品表示法にもとづく指定告示により「一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示」が不当表示とされています。依頼して投稿してもらう場合は、広告・PR であることを明示します。
出典
- 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号)第66条第1項
e-Gov 法令検索 - 厚生労働省「医薬品等適正広告基準の改正について」(平成29年9月29日 薬生発0929第4号)別紙「医薬品等適正広告基準」
厚生労働省(PDF) - 厚生労働省「化粧品の効能の範囲の改正について」(平成23年7月21日 薬食発0721第1号)別表第1(全56項目)
厚生労働省 法令等データベース - 医師法(昭和23年法律第201号)第17条・第18条/不当景品類及び不当表示防止法(昭和37年法律第134号)第5条
医師法 景品表示法 - 消費者庁「ステルスマーケティングは景品表示法違反です」(令和5年10月1日施行)
消費者庁 - 一般社団法人日本エステティック振興協議会「エステティック業統一自主基準」
日本エステティック振興協議会
※ 本ページは、公表されている法令・行政の通知・業界団体の資料にもとづく一般的な整理です。個別の表示が法令に該当するかどうかを判定するものではありません。実際の表示にあたっては、所轄の行政庁または専門家にご確認ください。
「この書き方、大丈夫ですか」
メニュー表や投稿の言い回しについてのご相談にも、お答えします。
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