エステで使える美容機器と、医療機器の違い
見るところは3つ。分かれば、導入したい機器を自分で見分けられます。
機器の見分けがつくと、何ができる?
導入したい機器がサロンで使えるかどうかを、自分で見分けられるようになります。見るところは3つ。①その行為が医行為でないか(医師法)②その機器が医療機器に当たらないか(薬機法)③何をうたうか(同第66条)。この3つを通れば、安心して主力メニューにできます。
見分けがつくと、できること
押さえるところが分かれば、あとは安心して組み立てられます。

「日本でも使えます」という説明を、自分で確かめられるようになります。
何をうたえるかが分かれば、チラシもSNSも自信を持って出せます。
導入してから使えないと分かる、という事態を防げます。
見るところは3つ
| 見るところ | 根拠 | |
|---|---|---|
| ① 行為 | その施術が医行為に当たらないか。機器が医療用かどうかを問わない行為があります | 医師法第17条/厚生労働省の通知 |
| ② 機器 | その機器が医療機器に当たらないか。当たるなら品目ごとの承認・認証が要ります | 薬機法 第2条第4項・第23条の2の5 ほか |
| ③ うたい方 | 効能・効果をどう書くか。書き方しだいで医療機器の使用目的を持つと受け取られます | 薬機法 第66条第1項 |
※ 施術そのものの線引き(HIFU・脱毛・まつ毛エクステなど)は日本で提供できる技術・できない技術にまとめています。このページは機器の見方に絞っています。
医療機器とは、何を指すのか
「医療用に見えるかどうか」ではなく、法律の定義で決まります。
この法律で「医療機器」とは、人若しくは動物の疾病の診断、治療若しくは予防に使用されること、又は人若しくは動物の身体の構造若しくは機能に影響を及ぼすことが目的とされている機械器具等(再生医療等製品を除く。)であつて、政令で定めるものをいう。
医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律 第2条第4項
同じ形の機器でも、何に使うことを目的としているかで扱いが変わります。カタログの書き方も、その目的を示す材料になります。
医療機器の製造販売には、品目ごとに厚生労働大臣の承認が必要です(第23条の2の5第1項)。区分によっては登録認証機関の認証や届出の扱いになります。
海外で美容機器として売られていても、日本での扱いは別に判断されます。韓国のカタログをそのまま訳して使わないでください。
医師法の項でも述べましたが、エステティックでは治療等の行為はできないので、医薬品や医療機器を用いた施術行為はできません。
一般社団法人日本エステティック振興協議会「エステティック業統一自主基準」
機器ではなく、行為で決まるものもある
厚生労働省は、医師が行うのでなければ保健衛生上危害の生ずるおそれのある行為として、次の3つを示しています。医師免許を有しない者が業として行えば、医師法第17条に違反します。
- 強い光線で毛根を破壊する行為用いる機器が医療用であるか否かを問わず、レーザー光線又はその他の強力なエネルギーを有する光線を毛根部分に照射し、毛乳頭、皮脂腺開口部等を破壊する行為。
- 針先に色素を付けて皮膚に入れる行為針先に色素を付けながら、皮膚の表面に墨等の色素を入れる行為。
- 酸で表皮剥離を行う行為酸等の化学薬品を皮膚に塗布して、しわ、しみ等に対して表皮剥離を行う行為。
出典:厚生労働省 医政局医事課長通知「医師免許を有しない者による脱毛行為等の取扱いについて」(平成13年11月8日 医政医発第105号)第1。
🔴 1つめに「用いる機器が医療用であるか否かを問わず」と書かれている点が重要です。機器の扱いをクリアしても、行為で止まることがあります。
ケミカルピーリングの線引き / MTS・マイクロニードリングの線引き
導入前に確認する5つのこと
1. その機器で、何をうたっているか
- カタログ・販売サイト・説明書に「治療」「治る」「疾病名」が出ていないか
- 出ていれば、医療機器としての使用目的を持つと受け取られ得ます
2. 日本での扱いが確認できるか
- 医療機器に当たるなら、品目ごとの承認・認証・届出が要ります(薬機法第23条の2の5ほか)
- 販売元に、日本での扱いを書面で確認する
3. その施術が、行為として行えるか
- 上の3つ(毛根の破壊・針で色素・酸での表皮剥離)に当たらないか
- HIFU(焦点式超音波)も医行為とされています
4. 第三者の認証を受けているか
- 日本エステティック機構(JEO)のエステティック機器認証の有無
5. 使う人の教育と手順書がそろっているか
- 出力・当てる時間・避ける肌の状態を、書いたものにしておく
- 異常があったときに医師へつなぐ手順を決めておく
第三者の認証という物差し
日本エステティック機構(JEO)は、エステティック機器認証の制度を設けています。
消費者が安心してトリートメントを受けられるように、エステティシャンがサロンで使用するエステティック機器に関する安全性を確保すること。
フェイシャル・ボディ・脱毛などの施術に使用する機器、消毒機器や補助器具など衛生面で使用する機器。
共通規格と個別規格を定め、製品試験とシステム審査によって、機械の安全性と使用者への配慮を確認。合格した製品には機器認証マークを貼付できます。
※ 認証は安全性を確認する仕組みで、医師法・薬機法の線引きとは別のものです。認証があるから何をしてもよい、ということではありません。
うたい方
何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の名称、製造方法、効能、効果又は性能に関して、明示的であると暗示的であるとを問わず、虚偽又は誇大な記事を広告し、記述し、又は流布してはならない。
医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律 第66条第1項
日本エステティック振興協議会の統一自主基準も、医師法について「サロン現場では、『治療行為』や『診察や診断行為』はもちろん、『治療』『治癒』などといった表現を使うことも違反行為になります」としています。
⚠️ 韓国の資料をそのまま訳すと、ここで止まることが多くあります。効能の言い回しは、必ず日本の表現に置き換えてください。
当協会の課程では
PRO課程で学ぶ「10の臨床技術」は、機器を使うものが中心です。当協会の BASIC課程・PRO課程で扱うのは、エステサロンで提供できる範囲の技術です。HIFU・毛根を破壊する脱毛は扱っていません。MTS についても、皮膚を穿刺しない方式を用います。
赤・青・近赤外。波長を使い分ける、光のケア。
PRO課程の10の臨床技術を見る / 日本で提供できる技術・できない技術 / 韓国コスメの線引き / 韓国肌管理とは / イオン導入・ポレーション / PDT(LED)とは / HIFU(ハイフ)はできる? / クライオ・RF(高周波)
よくあるご質問
エステサロンで使える機器と、使えない機器の違いは何ですか。
薬機法第2条第4項は、医療機器を「人若しくは動物の疾病の診断、治療若しくは予防に使用されること、又は人若しくは動物の身体の構造若しくは機能に影響を及ぼすことが目的とされている機械器具等(再生医療等製品を除く。)であつて、政令で定めるもの」と定義しています。医療機器に当たるものは、品目ごとに厚生労働大臣の承認(または登録認証機関の認証・届出)が必要で、医療の場で使われます。日本エステティック振興協議会の統一自主基準は「エステティックでは治療等の行為はできないので、医薬品や医療機器を用いた施術行為はできません」としています。
機器そのものが医療機器でなければ、どんな施術をしてもよいのですか。
いいえ。機器の扱いとは別に、行為そのものが医行為かどうかが問われます。厚生労働省の通知(平成13年11月8日 医政医発第105号)は、①機器が医療用かを問わずレーザー等の強い光線で毛乳頭・皮脂腺開口部等を破壊する行為 ②針先に色素を付けながら皮膚の表面に墨等の色素を入れる行為 ③酸等の化学薬品を皮膚に塗布して、しわ・しみ等に対して表皮剥離を行う行為 を挙げ、医師免許を有しない者が業として行えば医師法第17条に違反するとしています。
「何をうたうか」で扱いが変わるというのは、どういう意味ですか。
医療機器は「疾病の診断・治療・予防に使用されること、または身体の構造・機能に影響を及ぼすことが目的とされている機械器具等」と定義されています。つまり使用目的が判断に関わります。「治療できる」「シミが消える」とうたえば、医療機器としての使用目的を持つと受け取られ得ます。薬機法第66条第1項は、医薬品・医薬部外品・化粧品・医療機器等の名称、製造方法、効能、効果または性能に関して、明示的であると暗示的であるとを問わず、虚偽または誇大な記事を広告し、記述し、または流布してはならないと定めています。
海外で使われている美容機器を、そのまま日本のサロンに入れてよいですか。
同じ機器でも国によって扱いが異なります。日本で医療機器に当たる機器は、品目ごとに厚生労働大臣の承認、または登録認証機関の認証・届出を受けたものでなければなりません(薬機法第23条の2の5ほか)。海外で美容機器として売られていることは、日本での扱いを決める根拠にはなりません。導入前に、所轄の行政庁または専門家にご確認ください。
機器が安全かどうかを、第三者に見てもらう仕組みはありますか。
日本エステティック機構(JEO)が、エステティック機器認証の制度を設けています。消費者が安心してトリートメントを受けられるように、エステティシャンがサロンで使用するエステティック機器に関する安全性を確保することを目的とした制度で、共通規格と個別規格を定め、製品試験とシステム審査によって確認します。合格した製品には機器認証マークを貼付できます。
出典
- 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号)第2条第4項・第23条の2の5・第66条第1項
e-Gov 法令検索 - 厚生労働省 医政局医事課長通知「医師免許を有しない者による脱毛行為等の取扱いについて」(平成13年11月8日 医政医発第105号)
厚生労働省 法令等データベース - 厚生省 健康政策局医事課長通知「医師法上の疑義について(回答)」(平成12年6月9日 医事第59号)
厚生労働省 法令等データベース - 一般社団法人日本エステティック振興協議会「エステティック業統一自主基準」
日本エステティック振興協議会 - 特定非営利活動法人日本エステティック機構「エステティック機器認証」
日本エステティック機構
※ 本ページは、公表されている法令・行政の通知・業界団体の資料にもとづく一般的な整理です。個別の機器や施術が法令に該当するかどうかを判定するものではありません。実際の導入にあたっては、所轄の行政庁または専門家にご確認ください。
その機器、サロンで使えますか
「導入を勧められたが判断がつかない」というご相談にも、お答えします。
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